イレギュラーな軍服シリーズ第3弾、エルヴィン・ロンメル元帥です。 ロンメル将軍と言えば、真っ先に思い浮かぶのが北アフリカでの戦いだと思います。 この軍服は、北アフリカで着ていた熱帯用戦闘服をモチーフにしたデザインになっていて、 通常ドイツ陸軍の通常制服は折り襟ですが、開襟になっています。 陸軍軍服を見慣れた目にはかなり異質に見えますが、 高い戦功をあげたロンメルだからこそ許されたのでしょうか。 その後、将官用の軍服として正式に採用されたそうです。 右手に持っているのは、元帥杖で、元帥だけに与えられる特別なアイテムです。 一本一本職人の手で手作りされたものらしく、非常に豪華な外見をしています。 イラストのものは正式なもので、公式の場でしか使えない規定になっていました。 一方、日常使用するための元帥杖もあり、こちらは長い黒杖で、銀の頭がついています。 勲章類ですが、 最も目に付くのは、襟元に輝く柏葉剣付騎士鉄十字章と 紺色のプール・ラ・メリット章でしょう。 プール・ラ・メリット章は、第1次世界大戦時の騎士十字章に当たるもので、 第1次世界大戦では最高位の戦功章。その授章者は約670人と極めて少なく、 ロンメルがいかに高い戦功を上げたかが分かります。 あとは、左胸にWW1時の1級鉄十字章と その上に1939年版1級鉄十字章の略綬。 戦車突撃章、戦傷章銀賞を佩用しています。 ●戦傷章について ロンメルは、1944年にフランスで敵航空機の攻撃に遭い、頭蓋骨骨折等の 重症を負ってしまいます。その後、戦傷章金章を授与されています。 胸ポケットの上に略綬をつけていますが、白黒写真とにらめっこしながら 判別したので、もしかしたら間違っているかもしれません。 襟で隠れて見えませんが、向かって一番左に2級鉄十字章略綬をつけているので、 前あわせのボタンには2級鉄十字章のリボンをつけていません。 ちなみにイラストでは描いていませんが、 黄金ダイヤモンド付パイロット兼オブザーバー章を佩用することもありました。 ロンメルはパイロットの資格も持っており、 軽偵察機のFi-156シュトルヒに乗り込んで自ら操縦したりしていたのでした。 この開襟の制服はロンメル自身気に入っていたようで、 ヒトラー暗殺容疑で、服毒自殺を迫られたときに、この制服を着て 人生最後の瞬間を迎えたと伝えられています。 ちなみに...イレギュラーな軍服シリーズ第1弾 第2弾